多重債務者が減少傾向
金融庁は2011年6月27日、改正貸金業法フォローアップチームによる関係者ヒアリングを行い、2010年6月の完全施工から1年が経過した改正貸金業法の実態把握を行いました。
金融庁が提出した調査結果では、1年前に比べて改正貸金業法の本来の目的でもある多重債務者も減少傾向にあり、与信の厳格化などで借入ができなくなった人が「ヤミ金融」と呼ばれる無登録業者を利用する恐れが指摘されていましたが、金融庁が提出した調査結果では、これも1年前に比べ減少しています。この結果、金融庁は「現時点で制度について見直すべき点はない」と結論付けました。
調査は2011年4月に貸金業利用経験者を対象に実施し、貸金業者に借入を申し込み、希望通りの借入ができなかった人は25.7%で、2010年3月の調査(16.8%)より増加。しかし、そのうちヤミ金融からの借入で対応した人は2.1%で、前年3月(3.0%)より減少していました。
一方、改正貸金業法は多重債務者の解消が目的でしたが、5件以上の借入がある人は2011年3月末で約70万人で、前年(84万人)より減少しています。他にもヒアリングでは、ヤミ金融について日本弁護士連合会への相談件数や警察の検挙数などでも減少傾向にあることが報告されています。